新型コロナウイルス感染症対策専門家会議記者会見2020/3/19 質疑応答(一部) 文字起こし

表記の件、質疑応答の中で、下記のやり取りが印象深かったので、文字起こしした。

(質問)NHKマツオ記者
 この感染症はオーバーシュートしても事前にその兆候を察知できない、ある日オーバーシュートが突然起こりかねない、つまりそれは3つの条件が同時に重なる場を避けていただくということ、でなければそれが避けられないと(資料に)書かれているが、あらためて現在がどういう状況なのか、端的にどのように考えているか教えて欲しい。

(回答)
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(書き起こし文章)

 新型コロナウイルス感染症対策専門家会議記者会見
 https://www.youtube.com/watch?v=Ldc--rAw9sI&t=4351s
 FNNプライムオンライン 
 北海道大学西浦教授説明 1時間09分ころから

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 今回の日本全体の評価に関して、皆さんには希望の光を見出してもらいたいと思っています。この感染症に関してはひとたび大規模に流行が起こると目を覆いたくなるような被害規模になることが予測されます。一定の規模で医療機関が溢れてしまうような状態が出来かねないということなんですけれども、一方でここ最近の、3月上旬に入ってからの実行再生産数は1を割っています。中国でも知られてきたことなんですけども、この感染症はいわゆるsocial distancingと言って社会的隔離をすることで一定の制御ができることがどうも確からしいということを感じる結果でした。どういうことかというと例えばクラスターの大規模なメガクラスターが発生するのを避けるために大規模イベントを自粛をしたり、あるいは皆さんができるだけ閉鎖空間で接触することを避けたりとか、減らせれる接触を減らす努力を皆さんして来てくださったと思うんです。それには皆さんいろんな影響があって、科学者の端くれとして大変ご不便をおかけしたことをおわびしたいと思うんですけども、その影響で感染者数というのに減少があるかもしれないと、こういう対策をすると減少するかもしれないということが少しだけ希望の光として見えたかもしれないと思っています。今後市民の皆さんに考えてもらいたいんですね。今減らされる大規模イベントをやめておく。今減らせれる接触をみんなで協力をして減らすということをすることで、それが長期間流行持続しますので、長時間それを続けれるような持続可能なものを見つけながら社会経済活動の機能も最低限維持できるレベルっていうのを皆で見つけると、もしかすると切り抜けられるかもしれないです。なので今、ここで一気に堰を切って接触をするのかどうかっていうのは一度皆さんで考えてもらいたい、そういう機会があるといいなっていうのは科学的に個人的な意見ですけども、思っています。今このままの状態でせっかくの希望の光が見えたところなんですけども、分析の所でお話をしましたけれども欧州とアメリカと東南アジアで流行が拡大していますから、そこから感染者はこれまでの中国と比べ物にならないレベルで日本にやってきます。これだけはどうしても止めることができませんので、このまま丸腰で受けると大規模流行が起こります。なのであまり残されている時間はないんですけれども、以上のようなことをもとに皆さんでここから一度社会経済活動を元に戻すのかどうかっていうのは、一度みんな向き合って考えてもらいたいなと。憂慮すべき状態です。それをもとに考えてもらいたいなと思ってます。